翻訳元:腳蹤:考古史上最老的一雙鞋
訳者: 虹源翻譯社
貴方が履いているのはどんな靴ですか。ズック靴?スニーカー?革靴?それともスリッポン?どれでもないですって?この世界には何千何万種もの靴がありますが、一番最初の靴がどんな形をしていたか考えたことがありますか。人類はいつ靴を履き始めたのでしょうか。その時の靴は今のように靴紐がついていたでしょうか。
今日は世界の隅々を訪れて、歴史の中に残る靴の痕跡を探りましょう。
まず、下の風変りなスリッポン(またはモカシンシューズ)をご覧ください。
地中海民族の趣があるでしょう?確かにこの靴はバルカン半島のものです。バルカン半島とは現在のギリシャ一帯を指し、住民にopanke (英訳:opanak)と呼ばれています。この靴が現時点で世界最古とされる靴と形がよく似ていることをご存じですか(Ravilious、 2010)。
2008年、考古学者のグループが中央アジアのトルコの右にある小国アルメリア共和国(Armenia)で状態が完全な牛革製の靴の片方を発見しました。放射性炭素年代測定(Radioactive carbon dating)によると、この靴は銅と石が併用された時期(紀元前3,653-3,627年間)のものでした。石器時代と青銅器時代の間の過渡期です。計約5,500年の歴史があり、現在考古学史上最も古い靴であると言えます(Pinhasi et al、 2010)。
この古いスリッポンは「Areni-1」と名付けられた石灰岩洞窟で発見されたので、「Areni-1 Shoe」と呼ばれます。Ron Pinhasi教授の考古学グループは、紀元前4世紀から中古時代(5-15 A.D.)までの間、この洞窟の中で人類が活動していたことと、この神秘的な靴が紀元前4千年頃の人類のものであることを表明しました。測定した結果、靴は右足用で、サイズはだいたい現代のレディースシューズの24.5cm(アメリカサイズ7号)ですが、当時の持ち主が女性だったことを意味するわけではありません。古代の環境に生きる人種は現在の私達とは違います(Pinhasi et al、 2010)。
この靴が発見された時、中にわらが一杯に詰められていました。これは履く人を適度に保護し、温めるために入れられたと思われます(Pinhasi et al、2010)。このほか、この靴は現代の靴製造にも見られる一枚皮の技術により牛革1枚をそのまま使用していました(Ravilious、2010)。履く人は聡明にも牛革製の靴紐を15個の孔に通し、靴のかかととつま先の部分をしっかりと包みました。こうして名実共に長持ちし、見た目もよい革靴ができました(Pinhasi et al、2010)。
人類史上最古の靴がどんな様子かおわかりになったでしょう?古代の人は本当に賢いと思いませんか。こんな古い時代に靴紐を作って結び、しかもファッション性と実用性も考慮していたのです。この考古学者の研究と写真を見た後、すぐにでもアルメリアに飛んで行って先人の足跡をたどりたくなりました。ここで予告申し上げます。いつか当社が研究開発する靴紐のデザインが地中海の風格を帯びたら、それは私が出向いた時です。
参考文献:
- Pinhasi et al. (2010). First direct evidence of Chalcolithic footwear from the near Eastern highlands. PLoS ONE, 5(6) : e10984 DOI: 10.1371/journal.pone.0010984. Retrieved from https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0010984
- Ravilious, K. (2010). World’s oldest leather shoe found—Stunningly preserved. National Geographic. Retrieved from https://www.nationalgeographic.com/news/2010/6/100609-worlds-oldest-leather-shoe-armenia-science/
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