翻訳元:教育小小孩,從綁鞋帶起(下)
訳者: 虹源翻譯社
前回は、子供に靴紐の結び方を教えることで、物事の処理に対する積極的な姿勢と価値観を養うことができると申し上げました。今日の記事は、発達心理学の角度から、「靴紐結びの指導」が子供にどのような良い影響を与えるかについてじっくりと検討しましょう。
この指導の背後にあるポイントを探る前に、まず靴紐を結ぶ時の主な手順について少し理解しておきます。この時、大人の皆様は、靴紐を結ぶ手順なんか簡単だからもう結構だと思われるかもしれません。しかし、今お話ししているのは5歳の小さな子供のことです。子供は大脳がまだ完全に発達しておらず、知識も不完全です。そこで皆様を試させていただきます。今、皆様に靴紐を結ぶ手順を1つ1つ言ってほしいとお願いしたら、この任務をやり遂げる自信がありますか。
よく考えると、少し難しいのではないでしょうか。
わかりました。結構です。やはり1ステップずつ見ていきましょう。
靴紐を結ぶ手順
児童発達心理学者Michael MascoloとKurt Fischer(2010)は、靴紐を結ぶ手順を12に分けました。
- 靴紐を交差させる
- A側の靴紐を引っ張り、B側の靴紐を放す
- ぶら下がっているB側の靴紐を持ってA側の靴紐の下をくぐらせる
- 両側の靴紐の先を引っ張って、1つめの結び目を作る
- 親指と人差し指で片側の靴紐の真ん中をつまむ
- つまんだ部分を紐の根元に近づけて輪を作る
- 片手で靴紐Aの輪を固定し、もう片方の手でもう1本の靴紐Bを持つ
- 靴紐Bを輪に巻き付ける。位置は固定Aを固定している親指と人差し指の上
- 靴紐Bの人差し指の部分と靴紐Aの輪を押さえている親指を合わせる
- 靴紐Bを押さえている人差し指を使って靴紐Bを輪に通す
- 靴紐Bを輪の中から引っ張り出す
- 2つの輪を外側に引っ張れば、できあがり
今この12の手順を見ると、「靴紐を結ぶこと」はそんなに気楽で簡単なことではなかったのだと思うでしょう?確かに、初めての人にとって、靴紐を結ぶことは本当にわずらわしく、細々とした作業です。そればかりか子供の覚え方によっては、指導がスムーズに進まない場合もあり、指導者である大人が子供について、スムーズに次の手順に入るまで繰り返し1つの手順を練習させることもあります。
では、靴紐の結び方を学ぶ時、子供達が経験する発達に有益な過程とはどのようなものでしょうか。
ソビエト連邦の心理学者Lev Vygotskyは次のような見解を示しました。児童の学習過程は建築の過程と同じで、最初は知識、能力、経験において成熟した年長者や同輩者が傍で助け、学習をサポートすることが必要です。段階的に知識の基礎を固めたうえで、当初の手助け、サポートである「足場」を取り外し、子供を自立させ、他人の「足場」になるよう導きます。これは皆様ご存じの足場かけの理論(scaffolding theory)です。
同様に、効果的な靴紐結びの指導は、子供達の感覚・運動機能(sensorimotor development)の発育を促進するだけではありません。同時に大人が足場を組み立てる方法で、子供の方向、物体、抽象言語等に対する認知を一歩一歩確立します(Mascolo & Fischer、2010)。このようにすることで子供が将来より難度の高い技能や知識を学ぶ時、新しい情報を早く理解することができます。
ついでに申し上げますが、子供に靴紐の結び方を教えることは、大人にとってもメリットがあります。
え?何?早く知りたいですって?
優しさが身に付き、他人の身になることを学べ、根気もよくなります。
「一挙両得」でしょう?では早速子供に靴紐の結び方を教えましょう。
参考文献
- Mascolo, M. F. & Fischer, K. W. (2010). The dynamic development of thinking, feeling and acting over the lifespan. In R. M. Lerner & W. F. Overton (Eds.), The Handbook of Life-Span Development (Vol. 1, pp.113-161). Hoboken, New Jersey: Wiley.